記者職
帯広支社報道部
沼田 駿
警察やスポーツなどを担当しています。どれも新人の登竜門といわれています。先日、十勝で初開催の車いすマラソンに、事故で声や視力を失い肢体不自由となった女性が挑戦するという取材をしました。どこまで踏み込んで良いのか、と取材過程で悩むこともありました。事故後も笑顔でマラソンに出る女性の思いを丁寧に記事にし、後日、感謝の連絡をいただいたときには非常にやりがいを感じたのを覚えています。同時に日々の事件・事故の裏にいる人たちのことを忘れてはいけないと感じました。
当事者自身も「当たり前」になっている問題を拾い上げ、問題提起できる記者になりたいと思ったからです。大学で留学したエジプトでは、貧しさから物乞いをしている人や働いている子どもなどが散見されましたが、その人たちが幸せそうな話ばかり口にしていたのを覚えています。外から見たときに思う問題と当事者が感じていることは違う。これを伝えられる仕事をしたいと記者を目指しました。私は道外出身ですが、そんな自分だからこそ気付けることもあるかもしれないと、道新を選びました。
話を聞いたとき、こういうことか、と内容を自分なりの言葉で聞き返す癖をつけていたことです。留学中に自分のリスニング力の不安からしていたことですが、取材中の誤解を防ぐことに生きているように感じます。対して興味や趣味以外の分野の本をもっと読んでおけば良かったと思います。記者の扱う分野は多岐に渡ります。何も知らないと質問も出てきません。浅くても知識があることは大切だとひしひしと感じています。
一度キャッチした情報を素早く正確に記事にできる記者になりたいです。1つの記事とじっくり向き合うことも大切ですが、時間をかけすぎていては旬を逃し、ニュース性が薄くなってしまいます。また新しいことは日々次々と起きているため、素早く原稿を手放すことは次のことを追うことや時間的余裕を保つことにもつながります。私の最終目標はスポットの当たっていない物事を掘り起こせる記者になること。その余裕を持つためにも素早く原稿にする取材力と筆力を共に磨きたいです。
※記載の所属・担当業務内容は執筆時点(2022年11月)のものです。
最近の休日は、車を運転して十勝を巡るプチ旅行にはまっています。秋の山道で辺り一面に広がった紅葉を見たときは思わずため息が出てしまいました。加えて十勝はあちこちに温泉があるため、帰り道に寄ってじっくり浸かるのも最高です。道外出身の私にとって、土地勘を掴むのにも役立っています。ただ、十勝の食べ物は何でも美味しいので右肩上がりで増えている体重だけが懸念です。