INTERVIEW

先輩社員

記者職
東京支社編集局報道センター 
文 基祐

現在の仕事

 立憲民主党や共産党、国民民主党などの野党取材を担当しています。旧民主党政権の下野後、野党は「多弱」状態です。ただ、健全な政治には健全な野党が不可欠で、政権交代のない政治は腐敗します。立憲、国民両党の合流などの政局、国会論戦を通した政権追及や政策発信。その裏にはもがき苦しむ野党の姿が見えます。「政権交代を実現するために今の野党に何が足りないのか」。その視点を持ち、時には厳しい記事を書きながら、さまざまな議員や関係者の話を聞き回る日々です。

仕事中の写真

入社してからの一番の試練・失敗談。また、どう乗り越えたか

 函館支社報道部で道警・司法担当をしていた2017年11月28日、松前町の無人島・松前小島で北朝鮮籍とみられる男性10人が乗った木造船が発見されました。その後、男性たちが島の小屋にあった家電やソーラーパネルなどを盗んだ疑いで逮捕や書類送検され、裁判に至る非常に珍しい事件でした。
 事件が終結する約5カ月間、全国から取材が殺到。各社総力戦を展開する中で、何を報道すればいいのかわからなくなった時期がありました。
 ただ、そのときこそ「読者が本当に知りたいことは何か」を大切にしようと考えました。男性たちは逮捕されるのか、なぜ窃盗に及んだのか。本社道警担当の協力を得て、逮捕当日の朝刊には「北朝鮮船員逮捕へ」と独自記事を出すことができました。読者目線に立ち、事件の本筋を丁寧に追った結果でした。

仕事をする上で大切にしていること

 誠実に、謙虚であることです。何かのテーマについて取材する際に、本当に取材を尽くしたのか、記事の内容はこれでいいのか、常に自分に問いかけています。「あと1人、あと1件、取材したほうがいいかな」と迷った時は、絶対に取材を尽くしたほうがいい記事を書けます。何かを批判する場合も、誠実に、謙虚に取材を尽くしてこそ説得力が増し、自信を持って問いかけることができると思います。

道新で働くことのやりがい、魅力

 東京や大阪などの大都市目線では、県庁所在地や中核市でも地方と捉えて語られがちです。でも、広い北海道にはその先があります。雪深く、寒風が吹き荒れる地域にも人々は暮らし、行政や経済も営まれている。何かに挑戦しようとしたり、国や道の政策の恩恵が行き届いていなかったり。「自分がいなければ誰が伝えるんだ」と、きっと思えるはずです。転勤する度に好きなまちができ、一生の仲間が増えていくことも魅力ですね。

※記載の所属・担当業務内容は執筆時点(2019年12月)のものです。

入社後の経歴

2012年7月入社

編集局編集本部

2013年3月

伊達支局。農業や漁業、選挙など地域のあらゆるテーマを取材。

2016年3月

函館支社報道部。北海道新幹線の開業や地域経済などを取材。

2019年3月

東京支社報道センター。安倍晋三首相番を経て現在は野党担当。

休みの日の過ごし方

 妻と出かけることが多いです。浅草や丸の内など、東京は出かける場所には困りません。夜はおいしそうな居酒屋などを探して飲みに行ってます。平日は仕事が忙しく、コミュニケーションがとりにくい分、休日は一緒にいる時間をとろうと意識しています。他社の記者仲間とスーパー銭湯に行き、温泉と岩盤浴、漫画の3点セットでのんびりすることも定番になりつつあります。

休みの日