記者職
編集局運動部
工藤 俊悟
夏は高校生を中心とするアマチュアスポーツ、冬は2022年冬季北京五輪に向けたスキージャンプなどの雪競技全般を取材しています。新型コロナでスポーツ大会が軒並み中止となった20年は、インターハイが中止となった高校生の悔しさ、やりきれなさ、この1年だからこそ得たこと、大人たちの思いなどを取材しました。大会取材では、選手の言葉や生き様、生き方に触れ、私自身も刺激を受ける毎日です。優勝者や人気競技ばかり光が当たりがちですが、弱小チームの選手にも、マイナー競技にも、どの場所にもかけがえのない大切な物語があると思っています。試合を見ながら、思わず声をあげたり本気で悔しがったりしてしまうこともしばしば。もらい泣きしそうになるのをこらえながら取材することもあります。
留萌支局で「アタマ記事」(各面で最も扱いの大きい記事)をなかなか書けなかったことです。週3~4本は出稿が求められましたが、最初の頃は何を書けばいいかさっぱり。転機は当時の旭川報道部長の「自分がどう思うかが原点」との言葉。「自分が面白いと思ったこと、心動かされたことを書こう」と思えるようになり、自分の視点を大事に仕事ができるようになりました。最終的には、支局長、同じ面を一緒に作った同期、マチの方々に恵まれ、素晴らしい支局ライフになりました。
違和感を大切にすること。自分がどう思ったかを大切にすること。マスコミの普通を疑うこと。取材相手が持つ唯一無二の思いや言葉を、誇張したり美化したり単純化したりして安易な物語にしないこと。熱が入った取材ほど、心だけでなく、頭でも読ませる記事にすること。ペンが持つ影響力を自覚すること。相手の言葉を無理やり引き出すのではなく、待つこと。事故や事件や優勝に慣れないようにすること。人の業を肯定すること。怖がることはもったいないこと。書かないことの罪があると自覚すること。原稿より健康。
旭川での新人時代の話です。大相撲力士・旭大星との約束を心の支えに、重い病と闘う少年を取材したことがありました。記事掲載後にご家族の方から、こんなことを教えていただきました。「息子は、これまで嫌がっていた苦い薬を飲むようになった。理由を聞くと、『だって新聞を読んだみんなが応援してくれているんでしょ』と言ってくれました」。もう5年も前のことになりますが、「道新で働くことのやりがい」を考えた時に、真っ先に思い浮かんだ話です。
※記載の所属・担当業務内容は執筆時点(2020年12月)のものです。
2015年4月入社
旭川報道部。高校野球などのスポーツや警察取材を担当。
2016年7月
留萌支局。留萌、増毛、小平の3市町を取材。
2019年3月
現職場
函館出身のロックバンド・GLAYが大好きなので、大規模ライブがあるときは道外だろうと入社以来一度も欠かさず行っています。留萌支局時代は友達を招いて観光ガイドをして、留萌を好きになって帰ってもらいました。年末年始に親友とアイスランドで年越ししたこともあります。予定がない休日はためていた日記執筆、読書、映画鑑賞などをします。大学時代からの趣味で、よいと思った文章は書き留めたり、ワードに打ち込んだりもしています。